troisfaucons3

 イギリスでは伝記も盛んで、偉人伝ではなく、そうした奇人変人の伝記も人気がある。今回紹介する本も「畸人伝」の1つで、題名は The Ladies of Llangollen (『スランゴスレンの貴婦人たち』)という。

 「貴婦人たち」というのは、18世紀に生きていた2人の女性、エリナー・バトラーとセーラ・ポンソンビーのことである。エリナーはアイルランドの首都ダブリンに住む貴族の娘。セーラは同じくアイルランドの富豪の娘だったが、両親が早く亡くなって、親類に育てられている。

 セーラは13歳のとき寄宿学校に入るが、その学校で教鞭を執っていたのが29歳のエリナーだった。以後、10年にわたって2人は「友情」を育み、セーラが学校を出てからもおたがいの家を行き来していた。

 エリナーは結婚に興味がなく、独身を通していたが、セーラのほうは育ての親から結婚を勧められ、おおいに悩み、エリナーに相談を持ちかける。その結果、2人は、「男の格好」に変装し、「友情」を守るために駆け落ちをする。

 家族に連れ戻されて、この最初の駆け落ちは失敗するが、2人はあきらめず、 再度、海を渡ってグレート・ブリテン島に向かい、イングランドやウェールズに逃避行を決行する。やがて家族もあきらめて、2人の関係を認めることになる。 二人はウェールズの Llangollen という谷間の寒村にコテージをかまえ、そこを Plas Newydd と名づけ、 共同生活をはじめる。 Llangollen も Plas Newydd も英語ではなくウェールズ語。ウェールズ語のLLは「スラ」と発音するそうなので、この地名はとりあえず「スランゴスレン」と表記する(イングランドの人 は「ランゴレン」と発音するらしい)。 Plas Newydd は New Place という意味で、訳せば「新天地」。2人がウェールズに定住したのは1778年。エリナーは39歳、セーラは23歳だった。

翻訳家が選ぶ洋書この1冊:スペースアルク

彼女たちのその後はこちら。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%B2%B4%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1 だれか映画化してくれ。

(via hanemimi)

(via motomocomo)